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川島鈴遥 目指せ!演技派女優 役作りは“師匠”オダギリジョー流「出会えてよかった」

 “演技派女優”へ着実に歩みを進める川島鈴遥(撮影・高石航平)

 “演技派女優”へ着実に歩みを進める川島鈴遥(撮影・高石航平)

 若手女優のホープ川島鈴遥(りりか=20)が、映画「ぜんぶ、ボクのせい」(8月11日公開)で孤独を抱えたヒロインを熱演している。飛躍のきっかけとなった、19年公開の映画「ある船頭の話」で監督を務めたオダギリジョー(46)との共演で、「師匠」の俳優としてのすごさを改めて実感。「演技派女優」を目指して、ストイックに取り組む役作りについても語り尽くした。

 今作で「ある船頭-」以来のヒロイン役をつかみ、得意の影のある少女を演じて存在感を示している川島。その演技の根底には、オダギリから教わった役作りがある。

 具体的には、「台本を読み込む前に役をイメージした音楽を聞き込み、その後台本から細かな設定を捉えていく」というもの。「学んだことが、ちゃんと出せるか緊張感がありました。お芝居を土台作りからちゃんと始めました」と手応えを口にした。

 川島にとって、「師匠」だというオダギリは、飛躍のきっかけをくれた存在だ。監督作品「ある船頭-」でヒロインに抜てきされ、19年に第34回高崎映画祭で最優秀新人女優賞を受賞。21年にはオダギリ脚本・演出・出演のNHK総合ドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」にも出演するなど縁が深い。

 約4年の付き合いで、普段からメールで相談する間柄。「本当に出会えてよかった」と感謝は尽きない。さらに、今回の撮影で目の当たりにした“役者・オダギリジョー”には「すごく面白かった。暗い作品に、クスッと笑えるスパイスを加えてくれるようなお芝居。勉強になりました」と圧倒されたという。

 NHK BSプレミアム「二十四の瞳」(8月8日放送、後9・00)では、結核の役を演じるにあたり、自主的に7キロの減量を行った。ストイックな役作りも、演技のためには苦にならない。「(満足する演技が)絶対にできるという自信の部分で、より安心感を持って芝居ができる。一つ一つの作品に向き合うことは大切だなっていうのを改めて感じた」と話した。

 7歳でこの世界に入り、「演じることが好きなのはずっと変わらない。一番の原動力です」とキッパリ。求めるのは「作品のためのお芝居」。役を重ねていく中で「自分と役の戦いじゃなくて、自分の役と他の方が演じる役との対峙(たいじ)。自分ではなくお客さんがどう感じるか、考えて作品に向き合っていかないといけないと気付いた」と、成長も実感している。

 憧れるのは尾野真千子(40)や満島ひかり(36)、安藤サクラ(36)といった演技派女優。「演技をこれからどんどん磨いて、近づけるように頑張っていきたい」と目を輝かせた。

 ◆映画「ぜんぶ、ボクのせい」 松本優作監督の商業デビュー作。主演は新人の白鳥晴都。どこにも自分の居場所を見つけられない、心の傷を抱えた3人の男女の物語。児童養護施設で育った少年・優太(白鳥)は、裕福な家庭に育つも家にも学校にも居場所がない少女・詩織(川島)、ホームレスの男・阪本(オダギリ)と出会い、その交流のなかで優太は初めて家族のような絆や、初恋めいた胸のときめきを感じる。しかしそんな穏やかな日々もある事件によって終わりを告げる-。

 ◆川島鈴遥(かわしま・りりか) 2002年3月17日生まれ、栃木県出身。2010年にドラマ「特上カバチ!!」でデビュー。19年公開のオダギリジョー初長編監督映画「ある船頭の話」でヒロインに抜擢され、同作で第34回高崎映画祭で最優秀新人女優賞を受賞。趣味は合唱で中学、高校の6年間合唱部に所属した。

 

 「師匠」と慕うオダギリジョーについて語る川島鈴遥
 「師匠」と慕うオダギリジョーについて語る川島鈴遥

参照元https://www.daily.co.jp/