東京オリンピック・パラリンピックを巡る一連の汚職事件で、KADOKAWA取締役会長を務める角川歴彦氏が東京地検特捜部によって9月14日に逮捕された。
角川氏は大会組織委員会の元理事の高橋治之容疑者に対し、約6900万円の賄賂を渡した疑いがかけられている。これまでにKADOKAWAからは元専務らが逮捕されており、今回の動きは“本丸”に迫ったと見る声もある。
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角川氏はこれまでに数多くの映画、アニメなどのエンタメ作品を数多く手がけてきた。最近でも、ビートたけしの最新作のお蔵入り騒動で名前が取り沙汰された人物として知られる。
たけしの新作映画『首』は、2018年の独立後初の作品として期待が集まっていたが、実質的にお蔵入り状態にあると『週刊新潮』(新潮社)ならびに同誌のウェブサイトである「デイリー新潮」に報じられた。
記事では『首』は、西島秀俊主演ですでに撮影を終えたものの、その後の編集段階を9割方終えたところで作業がストップ。契約内容を巡ってKADOKAWA側とトラブルに発展していると言われた。
この報道に対したけし側は、公式サイトで「また俺と喧嘩している週刊誌が馬鹿な事を書いている」と反論。KADOKAWAが提案してきた内容が「あまりに一方的」であったと暴露した。さらに「KADOKAWAは、『製作総指揮角川歴彦』というクレジットを載せろとも言ってきた。KADOKAWAの今までの映画を見ると全部そうなっていて、笑ってしまう」とも書いている。
確かに、角川氏の名前は『妖怪大戦争:ガーディアンズ』『空海-KU-KAI-:美しき王妃の謎』などに「製作総指揮」としてクレジットされている。たけし側の主張としては、少なくとも『首』に関しては、角川氏がほとんど作品に関わっていないにも関わらず、慣例としてクレジットを入れるよう要求され、それは受け入れられないと拒んだ形なのかもしれない。
角川氏の逮捕で、たけしの新作映画公開が日の目を見る機会がさらに遠ざかる可能性はありそうだ。