【ロンドン=共同】世界的に有名な英国のファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドさんが12月29日、ロンドン南部で死去した。81歳だった。ウエストウッドさんのブランド会社が公表した。死因は明らかにされていないが、家族に囲まれ安らかに亡くなったという。
1941年、英中部ダービーシャー生まれ。小学校教師を経て、パンクロックのカリスマ、故マルコム・マクラーレン氏と71年、ロンドン・チェルシーのキングスロードに洋服店を開店。独学でデザインを学び、70年代に音楽界で流行したパンクをファッションに持ち込み「パンクの女王」とも呼ばれた。
反既得権益を訴えるスローガンが書かれたTシャツなど、大胆なデザインを次々発表し若者から絶大な支持を得る一方、性的なイメージの強さに批判も集まった。
マクラーレン氏がパンクバンド、セックス・ピストルズのマネジャーになった後、2人でバンドの舞台衣装も手がけた。日本にもコレクション発表などで複数回訪れた。
英国の伝統的な生地や17~18世紀の芸術、紳士服の仕立て技術に着想を得て、80年代にデザインを若者文化から大きく転換。デザインを手がけたドレスは故エリザベス女王の孫、ウィリアム皇太子がキャサリン妃と2011年に結婚式を挙げた際、女王の孫、ユージニー王女も着用した。
環境や政治・経済の問題に高い関心を持ち、社会活動にも頻繁に参加した。