女優・奈緒(29)主演のTBS系ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(火曜、後10・00)が8日にスタートする。デイリースポーツは、奈緒が役作りのため、都内のジムで取り組んでいる本格的なボクシング練習に、競技歴12年の松尾舜記者を送り込み、密着。そこには数々の映画でボクシング指導をしてきた俳優・松浦慎一郎が持つミットを吹き飛ばし、WBO女子世界スーパーフライ級王者の晝田(ひるた)瑞希選手もうなるディフェンス能力を魅せる「ボクサー・奈緒」の姿があった。
ドラマはオリジナルのラブコメ。奈緒は結婚式当日に彼氏に逃げられたことをきっかけにプロボクサーを目指し、恋にも奮闘する女性を演じる。
撮影は7月にクランクイン。ボクシングには5月から打ち込んでおり、今作で共演もする晝田選手は「隙間時間があったらずっと練習してるし、いつ休んでんだろうと思う」と奈緒のストイックさに舌を巻く。
指導を務めたのは、映画「春に散る」などでもボクシング指導を行い、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏のトレーナーも務めた松浦。その松浦も「限られた予定の中で取り組んで、普通の望みじゃ追いつかないところを埋めてきてる。芝居だけじゃなくてボクシングも本気」と取り組む姿勢に脱帽した。
密着した日は、撮影と撮影の合間のわずかな時間での練習。それでも、多忙による疲労の色は見えず、逆に高揚感を思わせるような笑顔でジムに姿を現した。
約1カ月で自ら巻けるようになったというバンテージを慣れた手つきで手に巻き、ストレッチをしてからリングイン。シャドーを始めた瞬間、朗らかな表情がボクサーの顔となった。
奈緒自身は珍しい右利きのサウスポー。驚いたのは軽やかなフットワークだ。1年ほど前から趣味でキックボクシングを習っているという格闘技経験者らしく、程よくひざを曲げ、腰も浮かさず、広すぎない自然かつ理想的なスタンスできれいなシャドーを見せた。
そこから放つパンチもシャープで力強い。松浦とは10発以上の高速コンビネーションに加え、ディフェンス練習を交えたミット練習も実施。腰の入ったすさまじいアッパーで計3度、ミットを吹き飛ばす場面もあった。