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日テレ“新枠”ドラマ「夫婦が壊れるとき」配信重視で新機軸「『ここで終わるの?』で終わる」

「夫婦が壊れるとき」で夫婦役を演じている稲森いずみ(右)と吉沢悠

「夫婦が壊れるとき」で夫婦役を演じている稲森いずみ(右)と吉沢悠
 

女優・稲森いずみ(51)が主演を務める日本テレビ系ドラマ「夫婦が壊れるとき」(金曜、深夜0・30)が好調だ。4月クールから同局が立ち上げた「金曜ドラマDEEP」の第1弾で、TVer(ティーバー)の再生数はスピンオフを含む全話合算で1800万回を突破した。配信重視のドラマを作るという局の新たな試みの舞台裏を、同局の藤澤季世子プロデューサーに聞いた。

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夫に浮気され、周囲に裏切られる稲森演じる妻・陽子が、繊細かつ大胆に復讐(ふくしゅう)を遂げていく物語。視聴者の共感が数字になって表れている。TVerでの再生数は1800万回を突破。藤澤プロデューサーは「予想を超えてリアクションいただいている。ビックリしてます」と驚きを隠さなかった。

新たな枠の立ち上げは昨夏。当初から配信重視の方針で、具体的な数値目標も示されていたと明かす。「どうしたらいいかっていうのを、ずっと時間をかけて考えて作品を選んで作って来た」。ターゲットは18歳以上の女性。「夫婦-」は他局で放送中の作品を含めた約5本の候補作の中の1本だったという。

BBCで放送された「女医フォスター 夫の情事、私の決断」のリメーク。「2020年あたりから話は来ていた」というが、エッジの効いた内容がゴールデン・プライム帯にマッチせず保留していた作品だった。そこから3年。格好の枠が誕生し「あー、あれがあったという感じ」で浮上。最終的には他局との争奪戦を制して放送に至った。

与えられた放送時間は30分。放送開始当初は「もっと見せたい」との思いがあったが「いつも『ここで終わるの?』っていうところで終わらせているので、だんだん(配信の)初日に見る人が増えている。配信を待ってくれているのかなという雰囲気がある」と手応えを口に。さらに配信限定の"短編スピンオフ"も制作。「本編で語れないことを込める狙いもありますが、再生数を稼ぎたい...」と同プロデューサー。貪欲に数字を求め、好結果に結びつけている。

制作にあたり、BBC側からは「主人公がとにかく大事。最後まで結構突っ走るので、そこに共感してついていけるような人に」と要望があったといい、稲森に白羽の矢を立てた。物語は中盤に突入しているが「すごむシーンとか、すべてすごくいい形でやっていただいて。何よりも上手な嘘の付き方みたいなのを、巧妙に巧みにやっていただけている」と感服した。

枠の今後を左右する第1弾。脚本、キャスト、スタッフの"三位一体"での好発進で、弾みをつけた。「試行錯誤しながら良かったことを次に生かしていくことをやっていこうと思っていたんですけど、第1弾が思っていたよりもいい感じで出てきた。この方向を上りながらある程度行きたいなと」と同プロデューサー。ディープな時間帯に届けるディープなドラマ。定着の可能性は十分に秘めている。

◆第9話新たな闇が-!! 6月2日深夜放送の第9話では、真壁陽子(稲森いずみ)の助けになりたい芽衣結城モエ)が、陽子の夫・昂太(吉沢悠)と不倫相手の理央(優希美青)が激しく口論する様子をカメラに収め、2人の破局を予見。予想通りに理央から別れを告げられた昂太は、平常を取り戻したかのような態度になる。真壁家には久しぶりに穏かな時間が流れるが、入院中の昂太の母・由紀(松本留美)が死去。悲しみに暮れる昂太に寄り添い、ある決断をする陽子だったが、予想もしなかった新たな闇が襲いかかる。