宝塚歌劇団雪組スター朝美絢が１２日、大阪・梅田芸術劇場メインホールで行われた主演全国ツアー「仮面のロマネスク／Ｇａｔｏ Ｂｏｎｉｔｏ！！」初日を迎えた。
朝美は１０月に退団するトップスターの彩風咲奈を、最も近い場所で支えてきたスター。今回、トップ娘役の夢白あやと、冷徹で官能的な大人の恋の駆け引きを描いた名作に挑戦した。
「仮面の－」の原作はスキャンダラスな題材で異端視されたラクロの「危険な関係」。１８３０年のフランス宮廷を舞台に、周囲の女性たちを次々と虜にしていく美貌の青年貴族ヴァルモンと、若き未亡人メルトゥイユ侯爵夫人の恋愛を華麗に描いている。
かつてテレビの歌番組に出演したときには「黒髪の人」でトレンド入りするなど、美貌で知られる朝美は、まさにヴァルモンにピッタリ。背筋がゾクッとするような冷徹さと、その内に秘めた熱さを硬軟自在に演じた。またショーでは中央に立ち、下級生をぐいぐいと引っ張っていった。
舞台あいさつでは副組長の透真かずきから「美しすぎる男」と紹介された朝美は、大きな羽根姿のまま一歩前に。「大人の色香匂い立つ作品。お客様にも陶酔していただければ」と妖しい笑顔を浮かべた。またショーは途中まで「体感５秒」、全てが終わって「体感１０秒」と表現。「両作品とも雪組１００年の歴史の中の作品。諸先輩方を敬いながら、いまの私たちにできる精一杯のことをやっていきたい」と大きな瞳をキラキラと輝かせていた。
梅田芸術劇場は１５日まで。５月６日まで全国９カ所で上演される。
