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野菜や果物などの食品廃棄物からコンクリートよりも強くしかも食べられる素材が開発される(日本研究)

廃棄野菜や果物から強度の高い素材を開発
photo by Pixabay

 世界的に問題となっている食品廃棄物だが、これを有効活用するべく様々な方法が模索されている。そんな中、酒井裕也氏、町田紘太氏が率いる東京大学生産技術研究所の研究グループが、画期的な新素材を開発した。

 それは廃棄された野菜や果物で作った完全植物由来の素材で、コンクリートの4倍近い曲げ強度を有し、建設材料としても十分に通用するものだ。

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・コンクリートの4倍の曲げ強度を実現

 新素材の作成法は、木粉から建材をつくる方法を応用したものだ。キャベツ・オレンジ・タマネギの皮などをフリーズドライ
 


 更に製造条件を調整することで食べることもできるという。ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家ならぬ、野菜と果物の家なんてものができちゃうのだ。 
・食べられない部分を有効活用

 せっかくの食材だ。無駄にすることなく、きっちり食べ切りたい。だがどんなに新鮮な野菜や果物であっても、皮・種・芯まで食べることは難しい。

 こうした食べられない部分を「不可食部」という。日本では年間1900万トン近い不可食部が出ており、そのほぼ半分が捨てられている。

 残り半分は肥料や飼料として利用されているが、単価が安いために利益をあげるのはそう簡単ではない。

 そこで考案されたのが、不可食部からつくられる建材として利用できる素材だ。これならば食品廃棄物を削減しつつ、高い付加価値までつけることができる。

それから粉砕してパウダー状にしてから加熱・成形すれば完成だ。

 成形過程で植物の糖類が溶けて隙間を埋めてくれるおかげで、完全に植物由来でありながら、コンクリートの4倍の強度がある。建設材料としても十分な強度を有しており、木材用の防水処理を施せば、水のある環境でも利用することができる。

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credit:The University of Tokyo

・製造条件を調整することで食べることもできる

 更にこの素材は食べることができる。塩・砂糖・コンソメといった調味料で味をつけておけば、建材としての強度を維持したまま美味しさをアップできるという。

 この素材でつくられた建物の柱を食べるシチュエーションがどのようなものかはわからないが、災害などで食料が入手できないといった緊急事態だろうか?

 この技術は不可食部を含む植物性資源の有効活用や、地球温暖化ガスの抑制に繋がると期待されていることは確かだ。

References:newatlas / 東京大学生産技術研究所/ written by hiroching / edited by parumo

参照元https://dailynewsonline.jp/