不祥事を乗り越えて人間として大きく成長!
バドミントンの世界ランク1位の桃田賢斗が7月28日、男子シングルスの1次リーグ最終戦で世界ランク38位の許コウ熈(韓国)にストレート負けを喫し、1勝1敗で1次リーグA組2位となり、各組の1位だけが進む決勝トーナメント進出を逃した。
金メダル候補のまさかの一次リーグ敗退に日本国内には大きな衝撃が走ったが、桃田は20年1月に遠征先のマレーシアで大きな交通事故に巻き込まれ、右目の下、眼窩(か)底骨を折る全治3カ月の大けがを負い、今年1月には新型コロナウイルスに感染。事故のあとの1年7か月で出場できた大会はわずかに2つとあって、敗因として実戦不足が指摘されている。
桃田自身も大会前の取材では「実戦経験を積めないのが、難しかった」と不安を覗かせていた。それでも「もしメダルにすら届かなかったとしても、コートの中であきらめない姿勢は見せたい」と話していた通り、最後の1点まで諦めずにシャトルに食らいつく姿に心を打たれたスポーツファンが続出した。
また、敗戦後のインタビューでは、涙を流しながらも応援してくれた人々に感謝を伝え、その後、更新した自身のツイッターでも「結果は本当に悔しい形になってしまいました。ただ今まで本当に辛い時も支えてくれた方々や、応援してくれている皆さんのおかげで憧れの舞台に立つことができたことに感謝しかないです。この東京五輪という舞台で人生において貴重な経験をすることができました。応援本当にありがとうございました」と改めて感謝のツイートをしている。
この桃田の敗戦後の振る舞いに世間からは「この人はいろいろあったけど、スポーツマンとしてすごい謙虚でカッコよかったと思う」「感謝の心を誰よりも持って試合に臨んでいたのが痛いほど分かった」「結果は残念だったけど、桃田選手なら次のオリンピックでやってくれるはず」「桃田さんも石川佳純もそうだけど、人間負けた時や失敗した時にどう立ち振舞うかが大事だよね」など、絶賛コメントの嵐となっている。
「桃田はリオ五輪を4カ月後に控えた16年4月に闇カジノ通いが発覚し、無期限の競技会出場停止処分となり、リオ五輪出場を逃し、今回が初の五輪でした。そういった経験後は自然と選手生命が閉ざされてしまうアスリートも多い中で、桃田は腐らず、練習に励み、見事に更生するどころか、人間的に大きく成長しましたね」(スポーツライター)
メダルには届かなかったが、桃田の振る舞いは金メダル級と評価されているようだ。