“レディコミの女帝”と呼ばれる漫画家・井出智香恵さん（７４）が２１日深夜にテレビ東京系で放送された「じっくり聞いタロウ」に出演。『国際ロマンス詐欺』にひっかかり、一度も会うことのないまま、１８年から２１年の３年半で７５００万円をだまし取られたことを明かした。同様の被害に遭っている人たちに「警鐘を鳴らす」思いで告白したという。
きっかけは１８年、「アベンジャーズ」のハルク役などで知られる人気ハリウッド俳優のマーク・ラファロ（５４）を名乗る男からＤＭが届いたことだった。もともとマークのファンだったといい「（先方が）私のことをよく調べあげてたんです」。
もちろん最初は疑った。本物の証拠を見せろと言うと、ビデオ通話することに。これがニセモノ動画“ディープフェイク”だったのだが、声も顔もそっくり。井出さんの「源氏物語」が好き、など具体的に言われ、すっかり信用してしまったという。
その後も頻繁にネットで連絡があり、「愛してる」「ハニー愛してるよ」などと甘い言葉が続いていたが、すぐに「奥さんと裁判（離婚調停）やってるから、自分のお金は全部差し押さえられている」などと金銭の話に。
「最初は１０万円」だった。飛行機に乗り遅れたが新しいチケットを買うお金がない、と言われ、指定された口座に振り込んだ。結婚をちらつかせ、「僕の奥さんなのになんで貸してくれないの」とも。計１００回以上、金を渡すこととなった。
「交通事故に遭った」とお金を求められたことも。「ケガした証拠を送って」と言うと、大ケガを負い、ベッドで寝ている写真が送られてきたという。「（今）よく見ると（首から下の肌の）色が違う」。もちろんコラージュ写真だ。
「１８年は８００万ぐらい貸した」と井出さん。「何度も怪しいことはあった」。何度も男に会いに行こうとしたが「妻と子供がいるからダメ」と拒否され続けたという。
娘の学費、ボランティア活動の費用…と金理由はさまざま。「１００万貸してくれ」と言われ、断ると「僕が３０万払うから（残りの）７０万貸してくれ」。よく考えれば意味不明なお願いだった。
自腹で１０００万貢いだが、そのうち、弁護士、税理士、友人、家族にも借金し、３年半で、総額７５００万円に。井出さんは「知り合って４カ月で“結婚”したんです。正式ではないんですけど、“血の誓い”をした」と指先に鍼を刺し、血のついた指をパソコンの画面でお互いにくっつけたことが「結婚」の儀式だったと話す場面もあった。
最終的には長女に諭され、詐欺だと目が覚めたという。
