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『ボーイフレンド降臨!』キンプリ高橋海人が取り戻す「ひとりの人間としての幸せ」

※画像はテレビ朝日『ボーイフレンド降臨!』公式サイトより
※画像はテレビ朝日『ボーイフレンド降臨!』公式サイトより

 King&Prince高橋海人(23)主演の『ボーイフレンド降臨!』(テレビ朝日系)は、人生に行き詰まりを感じている2人の女性が、12歳年下の記憶を失った謎の青年に出会うことで始まる三角関係のラブコメディだ。第8話は、自分の正体を隠されていたことにショックを受けるアサヒ(高橋海人)と、アサヒが去ったことで崩壊してしまった人間関係に胸が痛んだ。

■漆畑澄人の苦悩はアサヒが解放していた

 記憶が戻ったアサヒは、自分の正体を知っていたのに教えてもらえなかったこと、現代美術家として活躍していた自分を利用されたと思い、大きなショックを受ける。ひとりの人間として受け入れられなかったことへの強い嫌悪感は、記憶を失う前から抱いていたものと同じだ。服は黒色になり、鋭い眼光をした、あの漆原澄人になってしまった。

 だけど、アサヒの記憶は継続しているから、「アサヒくん」と呼ばれたら反応して振り向いてしまう。渉(田中みな実/35)の元カレからの強引なお願いを断れなかったし、渉に会えば素直になってしまうのだ。純粋に好きで絵を描いていたこと、自分の描いた絵が誰かにいいねと言われたらうれしかったこと。でも、漆畑澄人の名前が先行してブランディングされ、作品としての絵には興味を持たれていないと感じていた。だからゲリラアートをしていたのだと、胸の内を明かすのだ。

 その不器用さや苦しい思いを理解しつつも、渉は一刀両断する。辛酸をなめてきた渉にしてみたら、それは甘えに感じられたからだ。誰にどんな評価をされようと、自分が制作したものである自覚と自信があればいいと言い切ったのがカッコいい。

 渉の言葉にショックを受けるアサヒだったが、絵は自分の情熱を形にしたものであり、“絵を見てほしい”は“自分を見てほしい”だったのがなんとも切ないではないか。そんなアサヒの思いを汲み取り、ビシッと教えてあげた渉は、恋人ではなく姉のような存在になっているのがとてもいい。この関係がこれからも続くことを願う。

■漆畑澄人は望んでいた幸せをつかめるか

 漆畑澄人の生活に戻ったが、アサヒとして過ごした日々と、かしこ(桜井ユキ/35)と一緒に仕事をしていたことばかり思い出してしまう。かしこの笑顔と、仕事にまい進する横顔が好きだったのだろう、胸の中にジワジワと想いが広がっていく表情がとてもいい。

 なにより、記憶を失っていた自分はいつも充実していて、ありのままの自分を受け入れてくれる優しい人たちに囲まれて、幸せだったのだ。思うままに絵を描いて、社内のみんなに喜ばれて、化粧品メーカーのキービジュアルとして採用が決まった時は、心の底からうれしかっただろう。それは、“漆畑澄人”というブランドでもない、政治家の息子でもない、ひとりの人間として認められたと感じることができたからだ。

 記憶を失う前に求めていた、何者でもない自分を見てくれる人たちとの幸せな時間がそこにはあった。純粋に好きで絵を描いて、誰かにいいねと言われる喜び、それは漆畑澄人の原点といえるだろう。正体を明かして会社のために絵を描いてほしいと言うことだってできたのに、自由な発想で好きな絵を描かせてもらえたのは、周囲の統一的な理解がないと難しい。それに気付いた時には、もう体が勝手に動いて走り出していたのは、失いたくないものに気付けたからだ。

 しかし、すでに会社は整理することになり、かしこは行方が分からなくなっていた。失意のかしこを迎えに行って、一緒に見たあのまぶしい朝の光と、幸せな空気に包まれてほしい。そして、アサヒのとろけるほどに甘くて優しい笑顔を、漆畑澄人でみせてほしい。

参照元:https://dailynewsonline.jp/