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アメリカで致死的ウイルスの開発が解禁される

アメリカで致死的ウイルスの開発が解禁される
アメリカで致死的ウイルスの開発が解禁される

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 アメリカ合衆国では3年前から病原菌を改変して致死率を上げる研究に対して補助金を交付することを禁じていたが、この度それが解禁となった。

 そのリスクを正当化できるメリットがある場合のみに限るが、今後は恐ろしいウイルスを生み出し、その研究も行うことができるということだ。

・健全な研究であること、安全対策が万全であることが条件
 もちろんやみくもに危険なウイルスを作ってよいというわけではない。こうした研究を行いたい者は、調査委員会に対して研究内容が科学的に健全で、高度なセキュリティを備えた実験施設で行われることを証明しなければならない。

 また改変の対象となる病原菌は深刻な健康被害を与えるもので、その研究はワクチン開発など、人類に貢献するものでなければならない。さらに研究は最高の安全対策を施した上で遂行されなければならない。

「厳格な方針だと考えています。きちんと守られることを願います」と米国立衛生研究所(NIH)所長のフランシス・S・コリンズ博士は語る。

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・危険性が高いことから補助金交付が禁止されていたウイルス改変研究
 2014年10月、インフルエンザウイルス、MERSコロナウイルスSARSコロナウイルスの3種を改変し、更に危険にする研究に対して、連邦政府補助金を交付することが禁止された。

 しかし新しい法令は、大流行を引き起こす可能性があるものも含め、あらゆる病原菌に適用される。例えば、空気感染するエボラウイルスを作成したいという出願にも適用されるのだ。
・過去に行われたウイルス改変には恐ろしいものも
 “機能獲得”研究についてはかねてから激しい論争があった。2011年、ウィスコンシン州とオランダの研究所が致死性のある鳥インフルエンザウイルス「H5N1」を突然変異させ、フェレットへの感染能力を獲得させようと試みていることが明らかになると、激しい非難が巻き起こった。

 2014年にも米疾病予防管理センターで職員が炭疽菌に暴露し、さらに良性株を注文した研究所に危険なインフルエンザウイルスを発送するという事故が発生し、同様に批判が起こった。

 同年には、米国立衛生研究所(NIH)で天然痘の容器が冷蔵庫の中に50年間も忘れられたまま放置されていたことが発覚するという事件もあった。 

 補助金の交付を禁止するモラトリアムが実行された時、21プロジェクトが実質的に停止したとコリンズ博士。それ以降の3年間で、米国立衛生研究所NIHは例外として10プロジェクトを助成。5つはインフルエンザ関連、5つはMERSウイルス関連の研究だったという。

 後者はラクダが媒介者であるコロナウイルスである。このウイルスによる2012年以降の感染者は2,100人を数え、その3分の1が死亡している。

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・今回のウイルス開発解禁に関する専門家たちの反応
 今回の決定について、こうした研究に批判的な人たちの反応はさまざまである。

 「見掛け倒し」と主張するのは、ラトガース大学の分子生物学者リチャード・H・エブライト博士だ。彼は調査委員会を設けることについては評価しているが、それは政府とは独立した機関であることが望ましいと話す。

 また政府助成プロジェクトだけでなく、同様のあらゆる研究を対象とするルール作りが必要であると述べている。

 ハーバード公衆衛生大学院の疫学者マーク・リプシッチ教授は、調査委員会を「ちっぽけな前進」と評する。
彼によれば、最近の病原菌強化実験は、ささやかな科学的知見をもたらしたにすぎず、大流行への備えという点では何ら影響を与えていないばかりか、誤って大流行を引き起こすリスクを生じさせた。

 ミネソタ大学のマイケル・T・オスターホルム博士は、きちんと安全対策を講じる研究所はあるだろうが、公表できる内容には制限を課すべきと主張する。

 核兵器の研究に言及しつつ、「物理学者は公にしていいことと、機密とすべきことの区別を学びました」と注意を促している。

References:sciencealert / nytimesなど/ translated by hiroching / edited by parumo
 

 

参照元https://dailynewsonline.jp/