12月の競馬もいよいよ最終週。今週末は「中山・阪神」の2場開催だ。
重賞は、土曜日に中山大障害(JGI・中山・障4100m)と阪神カップ(GII・阪神・芝1400m)。そして日曜日に、総決算的な夢のグランプリレース・有馬記念(GI・中山・芝2500m)がスタートする。
過去10年データを使ってヒントを見つけるこのコーナー。今週の注目はなんといっても有馬記念。レースでの狙いどころを探していこう。
1.1番人気が圧倒的に強いレース?
いつものように上位人気馬のチェックから。
有馬記念での1番人気馬は過去10年で6勝。これはGIレースのなかでも抜群に良い数字である。成績は【6-1-1-2】、連対率70パーセント、馬券圏内率80パーセント。先週の朝日杯FS同様、1番人気馬は馬連でも3連系の軸としても信用度高い存在となる。
一方、2番人気馬は1勝、成績は【1-1-4-4】で馬券圏内率としては60パーセント。こちらもかなり良いレベル。馬券の相手としては是非押さえておきたい。
3番人気馬も1勝、成績は【1-1-2-6】。やはり人気が下がるほど、順当に成績も下がっているわけだ。ちなみに上位合計3頭での馬券圏内占有率は60パーセントにものぼる。
上位人気馬以外での勝利は、4番人気1勝と8番人気の1勝だけ。人気薄で勝っているのは15年の4歳で勝った8番人気ゴールドアクターくらい。馬券は荒れる印象もある有馬記念だが、人気薄の一本釣り的な単勝勝負は確率低めといえる。
2.中位人気勢割り込みも60パーセント期待?
勝ちきる馬は上位人気優勢というのはわかった。では2着・3着なら、人気薄馬はどれくらい絡むのだろうか。
過去10年、8番人気以降で馬券圏内になっているのは15年のゴールドアクターも含めて6頭となる。
20年 2着 サラキア 11番人気
18年 3着 シュヴァルグラン 9 番人気
17年 2着 クイーンズリング 8番人気
15年 1着 ゴールドアクター 8番人気
14年 2着 トゥザワールド 9番人気
12年 2着 オーシャンブルー 10番人気
過去10年で6回「8番人気以下11番人気まで」の馬が絡んでいるということだ。
16年は1~3番人気での上位決着というガチガチの年もあったが、60パーセントの確率で人気中位の馬たちも馬券に割り込んでくるということ。まあこれを高いと見るか、低いと見るかは人それぞれ。とはいえ、3連系の馬券を買うならば、このゾーンの馬たちは馬券に入れておいたほうがいいはずだ。
3.前走はどこからが狙いとなる?
1着馬は前走どこからのローテーションが良いのか。
一番多いのが、前走・菊花賞で3頭。次に前走・天皇賞秋・ジャパンカップ・海外GIからが2頭ずつ。前走GIIからが1頭となっている。わずかに菊花賞組が良い。今年の前走菊花賞からの出走は2着ボルドグフーシュと3着ジャスティンパレスの2頭。18年には菊花賞4着からブラストワンピースが巻き返している例もあるので期待感はある。
ただ、これを馬券圏内30頭データとすると、前走ジャパンカップ組が9頭で一番多くなってくる。今年の前走ジャパンカップ組は1着ヴェラアズールと17着ボッケリーニの2頭。特にヴェラアズールは馬券には入れておきたいかも。
4.内枠有利というよりは…?
有馬記念では毎年恒例の枠順公開抽選会がある。今年も、各陣営ともに悲喜こもごもという姿があったが、やはり内枠・偶数番は毎年好まれているようだ。
しかし過去10年の勝ち馬は、8枠以外は最低でも各枠1回ずつ出ている。3枠から5枠が2勝ずつと少しだけ多い。ちなみに近5年の勝馬はすべて5枠より内だった。
確かに内枠有利ともいえそうだが、正しくは「5枠より内に入った3番人気までの馬」が勝っているという感じ。6枠と7枠で1着となった馬たちも1番人気だった。1番人気ならば枠順はあまり関係ないということかも?
さらに馬券圏内30頭では5枠が一番好成績。次に良いのが3枠と7枠。8枠だけが不振となっている。
最後は騎手データ。過去10年で9回出走して6回も馬券圏内になっている騎手がいる。
それがルメール。成績としては【1-3-2-3】。19年には1番人気だったアーモンドアイで不発だったこともあるが、逆に17年は8番人気クイーンズリングを2着に持ってくるなどここ一番での爆発力は持っている。さて、今年のイクイノックスはどんな着順になるのだろうか?